DETAIL
サンチュアリオ農園
カウカ県ポパヤンの標高1900mに位置するサンチュアリオ農園。1999年に始まったこの農園は、サスティナブルなコーヒー生産を目指し、スペシャルティコーヒーの生産に特化した先駆的な農園です。農園では、設立当初より様々な品種の生産、適合性の調査などが行われており、オーナーのカミーロ氏は常にコーヒーを探求してきた人物でもあります。
2010年前後、気候変動の影響を受け、生産量が激減してしまったものの、管理体制を一新し、カウカの気候との適合性を把握し、より品質に根差したコーヒーの生産に力を注いできました。
プロジェクトを通じて培ったノウハウ
生産処理方法や品種、乾燥方法など、様々な試行錯誤が行われ、サンチュアリオ農園だけでなく、バジェ・デル・カウカ県のカリにおいても、プロジェクト農園を作り、希少な品種や生産処理の検証を進めてきました。こうしたノウハウは、現在彼が世界中のパートナー生産者と行っているサンチュアリオプロジェクトの礎となり、アップデートを繰り返しながらユニークな風味を持つコーヒーが各地で生産されています。
ブラックライムハニー
今回のブラックライムハニーと彼らが名付けたプロセスは、2回の発酵工程と彼らがMosstoと呼ぶコーヒーチェリーのジュースを使った独自の生産処理プロセスです。
まずチェリーは糖度24-25℃のレベルのものがセレクトピッキングされ、ミル内のカナルでフローターの除去と再度手選別が行われた上で、チェリーのまま密閉タンク内で94-98時間の嫌気性発酵が行われます。その後果肉除去を行い、チェリーを絞ったモストジュースと共に70-75時間の発酵を行います。収穫から乾燥まで一週間以上の時間を掛け、とても一般的ではないプロセスですが、温度やpHを確認し、細心の注意を払って行っているそうです。また、このpH値をライムと同じpH値にしたことが、プロセスの名前の由来になっているそうです。
その後、室内のアフリカンベッドにて18-20日かけて乾燥され、モストジュースによるライムのような香味を蓄えたコーヒーが生まれます。